【26】間ノ岳

【1984年9月23日】

流石に初雪が降った日の3,000m高峰の夜は寒く、テント内はパリパリに凍り付いて22時頃から眠れない夜を過ごした。朝5時前に北岳中腹まで登って御来光を待つ。5時半朝焼けに浮かぶ富士山を眺めていると、日の出と同時に何と目の前を雷鳥が5~6m飛ぶ珍しい光景にビックリ!富士の西方左手から太陽が登ってくる様子は筆舌に尽くしがたい感動であった。
この日は一日中快晴に恵まれ、間ノ岳(3,189m)からは360度の大パノラマ。とりわけ振り返り見る北岳の端正な姿には何度も足を止められるものがあった。存分に景色を堪能して、農鳥岳(3,026m)へ向かい白峰三山全山の縦走を完結。おまけに広川内岳(2,895m)まで見納めのピストンと、稜線歩きを満喫し大門沢小屋キャンプ地まで下った。
なお、元逍遥会の同期田村さんが大学を休学して農鳥小屋でアルバイトしているのに偶然遭遇…全く知らなかったのでこれまたビックリ!彼女から具入りラーメンとコーヒー、デザートにオレンジとジュースの差し入れまで貰ったが、何だか狐につままれたような不思議な一日であった。
翌日、大門沢から奈良田温泉へ下山して、秋の鳳凰三山・白峰三山の縦走を終えた。

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