【54】八甲田山

【2006年10月11日】

大学3年のGW期間(4月27日~5月4日)を利用して東北自転車旅に出掛けた。夜行急行八甲田に乗って翌28日6時15分青森駅に到着。バスで八甲田ロープウェイ停留所まで輪行し、自転車旅をスタート。この時は豪雪地帯で有名なこの辺りは未だ深い積雪が残っていて、登山は到底無理だったため国道を酸ヶ湯~蔦温泉~奥入瀬渓流~十和田湖へとツーリングで通過した。

その後、八甲田山中には都合2回やって来て、2006年には念願の登山も達成して酸ヶ湯温泉に宿泊入湯、翌年には青森中心市街地での1週間研修を終えて、帰路バイクツーリングを兼ねて蔦温泉の名湯も愉しんだ。明治35年の青森歩兵連隊の遭難事件、死の雪中行軍で有名な八甲田は私にとって得体の知れない怖い山というイメージを持っていたが、雪が降る前…秋の紅葉時期に入山してその美しさにすっかり魅了された。
酸ヶ湯温泉から毛無岱へ出ると、草紅葉の絨毯に点在する池塘群、周りには黄赤の鮮やかな紅葉とアオモリトドマツの緑のコントラストが見事で思わず何度も足が止まった。なるほど深田久弥が「まことに神の工を尽した名園のおもむき」と賞賛しただけのことはある絶景だ。
そこから赤倉岳、井戸岳、そして最高峰の大岳(1,585m)と縦走して仙人岱へ。ちょうどこの時期は頂稜部ではなく、岱と呼ばれる少し低い高原湿地帯が紅葉の見頃だったようで、硫黄岳を巻いて下るルート沿いには明るい光に照らされた心地良い紅葉狩り山行であった。

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