【51】宮ノ浦岳(宮之浦岳)

【2005年8月9~11日】

前年の5年振りの登山解禁を受けて、翌年のこの夏はそれまで溜まったエネルギーを開放するかの如く九州をバイクで縦貫してフェリーで世界遺産屋久島へ。大学2年時に日本最北の利尻山登頂を果たして以来の夢、最南端の洋上アルプス縦走を目指して屋久島へ上陸した。
安房の民宿に泊まって翌朝、タクシーを頼んで淀川登山口(1,370m)から出発。南海の暑い陽射しで汗だくになりながら高度を稼ぎ、小花之江河を通って憧れの自然庭園花之江河へ到着。暫く歩くと主峰宮之浦岳が見えてきた。テンションMaxで先を急ぐうち、黒味岳(1,831m)への脇道をロスして投石(1,830m)から安房岳(1,847m)まで通過してそのことに気付く。しかし、次第に雲行きが怪しくなりつつあったので止む無く先を急ぐ。石楠花が群生する登山道を栗生岳(1,867m)を経て宮之浦岳(1,936m)へ登り切った頃には辺りはガスに覆われて雨も降り始めてきた。ひと月に35日雨が降るという屋久島ゆえ仕方ないと思えど、やはりここからの展望を見てみたいとの思いで高塚小屋まで下る予定を変更し、永田岳(1,886m)から1時間の鹿之沢小屋まで下って翌日再度上り返すことにした。

2日目の朝、雲はあるものの天候は回復、ロウソク岩という利尻で見た奇岩と似た景色を横に見ながら永田岳頂上へ到達。目の前には宮之浦岳の姿がクッキリ、また四周の海岸線遠くまで眺めることができた。満足感に浸って下山の途に就く…登山道の大ヒキ蛙に驚きつつ高度を下げていくと、屋久島の象徴で樹齢2,200~7,000年と言われる縄文杉に到着。ここもかなり山深い場所ながら、流石に多くの観光客がここまではやって来ている。更に、夫婦杉・大王杉・ウィルソン株(何れも樹齢3,000年)と観光気分で下って小杉谷のトロッコ林道に出たが、折角なので山中もう1泊しようと辻峠(979m)を登り直して白谷小屋に天幕。同宿者は他に女性1名だけと心細感もあろうと、声を掛け残り行動食を提供して暫し屋久島談義を愉しみ就寝した。

3日目、宮崎駿もののけ姫の世界を彷彿とさせる苔むす白谷雲水峡を沢づたいに下り、屋久杉の見納めとして樹齢3,000年の弥生杉ウォッチの後、未だ体力が十分残っているので白谷バス停をパスして殆ど人通りのない登山道を海辺の楠川まで下り屋久島縦走を完了した。

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