【58】月山

【2007年10月4日】

山のことは何も知らなかった子供の頃から、月山という名の響きに魅かれるものがあった。名の起こりは、半輪の月の形からではなく、農業の神である月読尊が祀られているからと言う。
その後、出羽三山信仰として、月山(過去)・羽黒山(現在)・湯殿山(未来)を巡る“生まれかわりの旅”というものがあることを知るにつけ、我が人生の中でいつか行ってみたい気持ちを秘めてきた。
朝早く国宝五重塔のある羽黒山神社への参拝を済ませて8時過ぎ、月山8合目までバイクを走らせる。登山口すぐ近くの弥陀ヶ原には多数の池塘が点在する私の好きな高層湿原の雰囲気だ。
紅葉の稜線を登ること1時間で一ノ岳(1,679m)、畳石、仏生池と云われのある信仰ポイントを通過、そこから更に30分ほどで月山頂上に到着した。広々とした高原状の山頂域の小高い場所に聖域月山神社が鎮座、過去から現世これまでの感謝を込めて参拝を済ませて暫し頂稜逍遥を愉しむ。
神仙池の脇を少し南へ進んだ所から、牛首から姥ヶ岳にかけての西尾根が伸び、月光坂下の湯殿山方面が望めた。今回の旅では湯殿山は行かないが、次回機会有らばこの月光坂ルートで再び登ってみたい。
帰路も同じ道を辿って8合目まで戻り、一連の秋の東北登山旅を終え帰広路につく。

p.s.山形から広島まで約1,000kmのバイク走行、中国自動車道に入り暗くなると疲れで睡魔が襲って来た。何度も仮眠を採りながら、やっとのことで深夜広島に戻ってきた。

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