【34】九重山

【1987年11月21日+α】【2011年9月11日】【2012年5月10日】

就職で広島へ戻って銀行員になると、盆・正月も暦通りなので一週間程度の長期休暇が年に1回しか取れないため、めっきり山へ行けなくなったのが何よりも残念であった。
そんな社会人2年目の秋、当時は存在し今は廃止された広島・別府間夜行フェリーに乗って、西日本で数少ない縦走登山が愉しめる九重へ向かった。夜明けに別府港に到着しバスに揺られること2時間で牧ノ戸峠登山口(標高1,330m)に到着、すぐに沓掛山を経由するポピュラーなコースを辿って先ず星生山(1,762m)に登頂。九重連山に取り囲まれた坊ガツル盆地と高原状の草地、丸みを帯びた山々が一面黄色に染まって牧歌的な雰囲気を醸し出している。子供の頃に親に連れられて登った三瓶山(島根)のような感じで、不思議な懐かしさみたいな感覚がよみがえる。
初日は久住本山(1,786m)、稲星山(1,774m)、そして九州本土最高峰の中岳(1,791m)を経て法華院温泉に宿泊。湯温は少々低いものの、山中で温泉に入れるという贅沢も味わえる九重の虜になるのは簡単だった。翌日、大船山(1,786m)、平治岳(1,643m)、三俣山(1,745m)という主なピークを踏破して連泊後、長者原へと下山した。
それからサラリーマン時代に何度か、今の家内を連れて長者原から1泊2日で坊ガツルに入ってキャンプ&温泉三昧をしたり…九重は仕事で疲れた気分をリセットしてくれる(割と広島に近い?)取っておきの山となった。

その後、脱サラして暫く足が遠のいていた2011年、佐賀での仕事依頼を受けて九州出張した序に、赤川温泉から久し振りの九重へ日帰りピストンで登山。朝8時、久住山頂に至るとそこでブロッケン現象が発生する幸運に巡り合う。稲星岳~中岳~天狗ヶ城と御池~硫黄山~星生山~扇ヶ鼻(1,698m)と南部稜線を辿って昼前には下山した。

翌年も九州での仕事が続いていたので、今度はミヤマキリシマ咲き誇る5月を狙った日帰り山行に出掛けた。先ず、長者原から諏蛾守越ルートを辿り三俣山へ登頂。頂上を西峰(1,678m)、本峰(1,745m)、南峰(1,743m)と半周巡りの後、大好きな坊ガツルへの急降下道を降りて、ミヤマキリシマ大群落で有名な平治岳をピストンして登山口へ戻る。九重周辺の色んな名湯巡りも乙なものと…この時は筋湯温泉を愉しませてもらった。

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