【81】四阿山

【2014年9月29日】

嬬恋村で車中泊して国道144号線を西進、道中朝6時に田代湖畔に立ち寄り御来光を眺める。四阿山登山口の鳥居峠(1,360m)から林道終点まで砂利道を辿って登山を開始。
7時過ぎ源頼朝が矢の的にしたと伝わる的岩(国指定天然記念物)を通過して尾根に出てみると、東側に草津白根山から浅間山が間近に望めた。爽快な登山道を歩くこと1時間余り8時40分、四阿山頂(2,354m)に到着。ここからの景色はまさにパノラマ、根子岳(2,207m)越しに妙高連山、雨飾山、北アルプスへと続く遠景の遥か先には、富士山、そして御嶽山の噴煙が今日も見える。
山の形があずまやの屋根に似ているから名付けられたとの四阿山も、やはり日本武尊に因縁があって東征帰りに鳥居峠で詠んだ詩に起源があるとも言われている。細長い頂上の両端の信州側を向いた信州祠には真田正幸が奉納したと伝わる日本武尊や弟橘姫・イザナミノ命、上州側を向いた上州祠には大己貴命・須勢理姫命が祀られているとのこと。古くから尊崇を集めてきた神の山という歴史を踏まえるにつけ、景色の素晴らしさに一層箔が付いて感じられる。
帰り道は途中から別道を選択、紅葉の木々の間を抜けて女人禁制だった頃の花童子宮跡を通って下山した。駐車場に居た男性2名から話しかけられ暫し会話してみると、関西から来た彼らは定年後仲の良かった仕事仲間で日本百名山の車中泊中とのこと。この年、NHK-BSで放映中の田中陽希「日本百名山ひと筆書き」に影響された方々なのだろうか?今年は更に中高年登山者が増えそうな予感…永年山を大切にしてきた自分としては何だか複雑な気持ちだ。

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