【57】鳥海山

【2007年10月3日】

山容秀麗な東北第一の名峰と崇められ、深田久弥もスマートな颯爽と表現する鳥海山は私にとっても登ってみたい山。日本海沿岸の象潟から眺めた姿は翁の表現通り…非の打ちどころのない形をしていた。
鳥海ブルーラインを標高1,150mの鉾立までバイクで上って象潟口から登山開始。庄内・秋田の米どころを潤す谷筋の豊富な水が流れ落ちる様を眺めながら1時間余りで鳥ノ海を見下ろす御浜に到着。そこから仰ぎ見る鳥海山頂域はガリガリの岩山の風貌に変わり、振り返ると広々とした草原越しに日本海、最高の展望場所だ。
更に2時間登った三角点の新山(2,237m)の直下には正一位を授かった大物忌神社が鎮座、形がいいだけではない伝統と格式が感じられた。
頂上から山麓を見下ろすと秋晴れに縞模様を描く紅葉の谷筋が綺麗に見えたため、御浜までの下山ルートは行者岳、伏拝岳を経て湯ノ台道を河原宿まで一旦下って、月山森の横を通って鍋森まで上り直す周遊路を遠回りした。
期待以上の変化ある絶景を存分に愉しませて貰ったが、予定外に長い行程となり鉾立に到着したのは他の登山者の車が全て居なくなった17時半。日本海に沈む夕陽を独り占めというオマケ付きの山登りを満喫した一日だった。

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