【96】焼岳

【2016年7月30日】

日本百名山達成まで残り5座となったこの夏、一番の課題だった日高山脈幌尻岳踏破を目指す列島北上バイクツーリングの旅に出発。途中、北アルプスで唯一積み残していた焼岳登頂に向かう。
焼岳と初めて出逢ったのは高校の修学旅行で上高地を訪れた際に遡る。幻想的な大正池朝霧景のバックに五色の衣を纏ったかのような秋の焼岳を見た時、一瞬にして山の虜になった想い出の山だ。当然、その後何度も上高地へ入る度に目にする訳だが、なぜか登らないまま残っていた。
7月29日、山陽道→名神道→東海北陸道を走ること約600㎞の飛騨清見ICで高速を降りて仮眠。翌30日朝9時、国道158号線安房峠を越えて新中ノ湯登山口へ入り登山開始。およそ2時間で焼岳北峰頂上(2,444m)へ到達、天候は曇りだったが暫くガスが流れるのを待っていると、点在する雲間から上高地が見えてきた。見下ろす大正池は小さく、また盛夏で周りは緑一色ではあったが、自分の中では37年前の彩り溢れるあの景色が蘇ってきた。中ノ湯に下山して温泉に浸かりながら、積年の宿題をやり終えた感慨深さをゆっくり噛み締め、次の目的地八海山へ向かった。

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