【92】吾妻山

【2015年8月1日】

「吾妻山は芒漠としてつかみどころがない」とは深田久弥のコメント。
私もこれまで、磐梯山、安達太良山には行ったが、すぐ近くのこの山には中々行く機会がなかった。とにかく広いということはわかっていたので、いつも通り朝5時起きで登山口を目指して出発。ところが、この山も活火山であるため、御嶽山の噴火以降、警戒度合いが高まり朝7時まで登山口に向かう磐梯吾妻スカイライン(吾妻側)が通行規制で通れなかった。暫く待って東吾妻エリアに入山すると、今度は火口周辺立ち入り規制が敷かれ、浄土平からストレートに目指す山巡りが出来ない。遠回りして何とか見たかった絶景に辿り着く。
鎌沼を経て一切経山(1,949m)に登って下を眺めると青く光り輝く五色沼、天井の楽園を思わせる想像以上の美しさに魅了される。東吾妻山域の最高峰の東吾妻山(1,975m)への登下降路はイマイチだったこともあり、やはり最高峰の西吾妻山にも行かない訳にはいかないと思い立つ。しかし、裏磐梯に近い登山口へ移動すると15時近くになることは必至。夏山の夕立を想定すると、常識的には登山すべき時間ではない。
ただ、私も伊達に山を長くやっている訳ではないので、今日は積乱雲の様子からみて大丈夫と判断。問題は時間短縮のためゴンドラを利用しても往復コースタイムは5時間超だという点。普通に歩けば日没後真っ暗になってしまう。因みに、幸運にも今日は土曜日でゴンドラの運行時間が19時まで延長(普段は16時営業終了)。体力には一頻り自信があるので、チャレンジを決意。またしても猛烈なスピードで登る。
途中、出会ったのは1パーティー5人のみ(ある意味当然)。想定外だったのは、スズメバチに度々ちょっかいを出されたこと。しかし、これも私にとってはスピードアップへの増幅効果となる。
山の上では夕方らしい素晴らしい景色に出会うことが出来た(西吾妻山の頂上が展望の効かないことは、東吾妻山で地元登山者から聞いていたので特にガッカリもせず…)。
また、サンセット特別運行のゴンドラも、他の客も見当たらなかったので自分のための特別便に思え、満足感を一層高めてくれた。
無事18時半過ぎに麓に到着したが、この時間は立ち寄り温泉がないと聞き知っていたところ、ゴンドラの切符売場のおばさんに、近くで入れる温泉を尋ねたところ…勤務先系列のグランデコホテル(普通は16時に終了)に連絡をとって下さって、特別に入れて貰えるよう配慮頂いた。ホテル並びにおばさん従業員の機転の利いた対応には感動した(ホテル宿泊者の夕食時間の間隙をぬっての特別配慮)。
今日も一生懸命遊んだ一日でしたが、日に何度も“素晴らしい”思いが出来た良日であった。

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