【24】鳳凰山

【1984年9月21日】【2011年8月12日】

大学3年の秋、新宿発23時55分の夜行列車にひとり乗って甲府駅で下車。夜中の夜叉神峠入口までタクシーで入り、未だ明けやらぬ朝の4時5分懐中電灯を灯して登山開始。水場でポリタンに補給後5時過ぎ夜叉神峠の稜線上に到達して暫くすると、白んだ空の下に白峰三山の陰影が見えてきた。晴れとは言えないが、まずまずの天候で尾根筋を杖立峠、苺平と高度を稼いでいくが、夕べから風邪気味に寝不足が輪をかけ20分程度歩くと立ち止まるという具合でペースが一向に上がらない絶不調に陥り大苦戦。
おまけに9時頃には白峰の山々は完全にガスに隠れ、その後二度と見えなくなってきて気持ちも切れて10時南御室小屋に到着。そのままもう止めにしようかと思案していたが、その後抜きつ抜かれつで同コースを歩いていた怪しい韓国人がやって来たため、同宿に抵抗があったため再び気を取り直して出発、薬師岳(2,780m)、観音岳(2,841m)を経て15時鳳凰小屋のキャンプ指定地(2,401m)まで到達。同日夕方から予想外の大雨が襲って来て、あわや⛺テント浸水という危機にも遭遇する散々な一日であった。
翌朝、地蔵岳稜線上へ登り返すも既にガスの中で視界ゼロ。アカヌケ沢ノ頭(2,750m)、高嶺(2,779m)と、鳳凰三山の稜線上に後ろ髪を引かれる思いで暫し晴れ間を待つが、結局期待は叶わず白鳳峠から広河原へ下山して昼食を摂る。

2度目の鳳凰三山は27年の時を超えた2011年8月6日から仙塩尾根から1週間かけて甲斐駒に至り、早川尾根を経由して8月12日に到達できた(※塩見岳・仙丈岳・甲斐駒ヶ岳は各山参照)。
途中の早川小屋にはその昔、荒川中岳で出逢った小屋番の大也さんと再会。プロ並みに上達した彼のオカリナ演奏に酔いしれた翌朝、今度は快晴の天気に恵まれて三山ピストンへ向かう。前回は展望もなくただ通過するのみだったので、地蔵岳のオベリスクによじ登ろうと試みたが…頂上直下に積み重なったてっぺん3mの大岩を登り切る手掛かりがなく残念ながら断念。ただ、地蔵・観音・薬師の何れからも完璧な展望が得られ、永年の宿題をようやく終えた満足感のうち前回同様、白鳳峠まで戻って広河原へ下山しそのまま帰広の途に着いた。

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