【46】乗鞍岳

【1998年9月5日】

乗鞍岳それ自体は格好のいい3,000mの高峰だが、乗鞍スカイラインで頂上直下まで行けるとあって、私にはどうにも掻き立てられるものがなかった。そのため初登頂は車利用で一般観光客に交じっての登山に甘んじた。
畳平の観光バスを掻き分けて進むこと僅か1時間で、最高地点の剣ヶ峰(3,026m)に到着。この日は雲多く湧き出し四周の展望も利かなかったので、愛犬🐩パピの登頂記念写真を撮るとすぐに下山。犬に声掛けてくる沢山の観光客に本心閉口しつつ、一応愛想笑いを浮かべつつその場から退散した。
この乗鞍に対し、深田久弥は「夏の頂上は繁華街のおもむきを呈しているようだが、バス道路くらいで通俗化するようなチッポケなマッスではない…これほどの豊かさと厚みを持った山も稀である」と絶賛する。次回は乗鞍信者たちの参詣口として絶対とされる大野川から登り、位ヶ原から上り詰めて真正面に見えると言う「日本で最もすぐれた山岳風景の一つ」を眺めてみたいものだ。

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