【76】雨飾山

【2013年10月2日】

糸魚川方面から梶山新湯方面へと車で進むと、可愛らしい猫耳のようなピークを持つ雨飾山が見えてきた。この北ルートを選択した理由は、小谷温泉側の南ルートに比べて登山者が少なく、また北側なので日陰で車内留守番の愛犬🐕マロンのことを思ってのことで、わざわざ小谷を通過して廻り込んできた。
8時40分登山口の雨飾温泉を出発して、視界のない樹林帯を上り詰め10時に稜線上の笹平に到達すると、小谷側から登ってくる沢山の登山者が見えた。ここはピーク下まで拡がる笹原が気持ちいいその名の通りの原っぱで、そこから頂上まで30分足らずで到達した。雨飾山(標高1,963m)の二つの猫耳間の距離は思ったより近く30m位だったが、南耳には三角点と石の祠が2つ、北耳には5つの石仏・石祠が日本海側に向かって並んでいた。
深田久弥はこの山に挑むこと3度目にして初めてピークに立った時の感動を、「ついに私は久恋の頂に立った…下から眺めてあんなに美しかった、その二つの耳の上に立った喜びで、私の幸福には限りがなかった」と記している。
私の場合、幸運にも1度目で登頂できて僭越至極…小谷からの登山者がやって来るまでこの頂を独り占領し、心行くまで景色を愉しむ。下山後、雨飾温泉「都忘れの湯」(日本秘湯を守る会公認)を満喫して広島への帰路についた。

  • はてなブックマークに追加