【87】美ヶ原

【2015年7月27日】

夕暮れ湧いてきた雲はどうやら雷雲ではなさそう…また、明日は天気が今一つらしいということで、本日3座目の美ヶ原へ足を伸ばした。
美ヶ原について深田久弥は、明治以前の日本にはその概念のなかった高原の中で第一に挙げたいとしている。他の代表格として名を連ねる北アルプスの五色ヶ原、雲ノ平には簡単にアクセス不能なことを思えば、ここは何とも簡単に来れる。それだけに、観光世俗化著しい美ヶ原の様子に嘆きつつ、朝夕のみ人ひとり出会わなかった時の自分を幸福者と言わねばなるまい…と深田は吐露している。
さて、私もこの幸福を味わえる時間帯(夕方5時)にバイクで美ヶ原公園線を走って山本小屋へ到着。誰ひとりとはいかないまでも、観光スポットの「美ノ塔」より先で出会ったのは10人程度。自分の思いのままに歩ける十分ラッキーな高原散歩に相成りました。
夕陽期待の無理な強行軍だったが、その夕焼けは思い描いていたものとは良い意味で異なり、最高峰の王ヶ頭(2,034m)では草を食む牛さん越しに正旭日、その奥の王ヶ鼻(2,008m)では雲の間から松本市街に幾つもの逆旭日、何とも思いがけず絶景に遭遇できた。

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