【30】立山

【1985年9月26日】【2004年8月6日】

剱を下りたその日のうちに立山を縦走して一ノ越山荘まで行った。別山(2,874m)で剱沢・剱岳の展望に別れを告げて、極楽浄土と地獄に喩えられた室堂平を西方眼下に眺めながら真砂岳(2,861m)、富士ノ折立(2,999m)を経て立山連峰の主峰大汝山(3,015m)へ登ると、雄山神社の鎮座する雄山(3,003m)へは程なく到着した。
翌早朝、龍王岳(2,872m)手前の稜線で御来光を拝んでピークに立つと、五色ヶ原から薬師岳と黒部五郎岳、その先には笠ヶ岳と槍穂連峰まで見渡せる素晴らしい景色が拡がっていた。その日は五色ヶ原にて天幕後、翌日、平ノ小屋から黒部ダムへと下山した。

1999年7月の中央アルプス以来、約5年のブランクを経て久し振りの登山で2度目の立山にやって来た。1998年の脱サラ後のこの時期は明暗入り混じる人生における激動期、我が家の新築(明)、家内の大病罹患(暗)、そのため安定収入を得るべくお誘いのあった中小機構マネージャー職を引き受けて準サラリーマン的な仕事に戻っていたため、登山する時間的余裕のない日々を送っていた。
こうした中、家内の病状も順調に回復しつつあったことから、そのリハビリを兼ねたハイキングで室堂へバスで入山。初日は一ノ越山荘まで1時間の軽登山、小屋から赤く染まる夕景を眺め静かに就寝。
翌朝、雄山神社へ登って似非神主さん(どう見てもバイト学生?)に祝詞をあげて頂いて妻の厄落としを祈願。未だ体力的に不安の残る家内のペースに合わせてゆっくりと別山乗越まで稜線を歩き、雷鳥坂を下って雷鳥沢ヒュッテに泊まって温泉で汗を流す。
3日目、ミクリガ池周辺を散策の後、立山トンネルを抜けて大観峰からロープウェイで黒部ダムを観光して帰途についた。

その後、2008年8月14日の稜線上での雷雨襲来事件の顛末については薬師岳にて詳述。

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