【99】両神山

【2015年8月4日】【2017年8月6日】

深田久弥は両神山について、それはギザギザした頂稜の一線を引いているが、左右はブッ切れた異風であり、あたかも巨大な四角い岩のブロックが空中に突きたっているような、一種奇怪なさまを呈していると表現しておりそそられる山である。通常の登山ルートは、日向大谷の両神神社からであるが、我々(秩父駅で大学ゼミ仲間の牧君と合流)はその異風振りを楽しもうと、玄人向きの八丁峠からの岩の痩せ尾根を辿るルートを選択。10時を過ぎてからスタートだった。
このルートでは去年も滑落死者が出たというだけあって、のっけから鎖場の連続で岩肌も昨日の夕立の雨で滑りやすい状態と気の抜けない登降の連続。おまけに登山者が少ないため、登山の目安の赤テープも少なく、神経を研ぎ澄ましてルートファインディングをしなければならない難航となる。
実際、細心の注意をして臨んだ我々も、幾つも断続する岩峰越えでルートのミスチョイスを犯してしまい相当の時間と体力のロスを経験。
それでも西岳から東岳を通過し、いよいよ本峰へ取り掛かろうとした矢先に雷⚡が襲来。このまま無理して岩尾根を進むのは、身の危険に繋がると判断して勇気ある撤退を決定、峠への帰還を急いだ。

一昨年、⚡雷のためやむなく途中で引き返した因縁の両神山へのリベンジ登山。
ところが脚の調子がイマイチで‥普段は殆ど抜かれる事のない健脚自慢の自分が、本日の勝敗8勝(抜く)3敗(抜かれる)と不本意な状況、こんな中ひたすら我慢を旨に頑張って登頂を果たす。
朝登山口に向かう道路は☔雨で濡れ、また、ピークに登頂するまでガスに覆われて何の展望もなかったが、頂上に立った僅か5分間だけ“神憑って”☀晴れ渡る♪
山登りをしている時は、よく人生に喩えて滝のように吹き出す💦汗を辛抱して頑張るものだが、今日は1本(大体1時間)でも我慢しないで‥妥協の休憩三昧をしていたら好展望に出逢えなかった訳で、やり切った満足感に包まれて三峰口駅へ向かう帰りのバスに乗った。
p.s.因みに、下山と同時に☔雨が再び本降りになったのでラッキーだったと言えよう。

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