【6】阿蘇山

【1983年3月17日】【1984年3月17日】【2010年11月16日】

大学1年の春休み、逍遥会名物の平地合宿で混パ6名(L菅野㊚・SL長谷川㊛・進藤㊛・伊東㊚・久野㊛)で九州遠征へ旅立った3月16日に東京駅を発って翌17日熊本駅から高森線へ乗り継いで赤水駅へ到着。雪の残る阿蘇登山道路を湯ノ谷まで遡ってテン場を探すもシーズンオフで閉鎖中。ホテルのフロントに頼み込んでバンガローに泊めて頂くが、辺りは真っ白でとにかく寒くて皆な言葉少なにシュラフに潜り込んで休む。
翌18日は阿蘇登山に向かったが、予定していた中岳(1,506m)も高岳(1,592m)が雪と噴火規制のため立入禁止。我々は吹雪の中、登山道の霜や氷を踏みしめて、雪千里と化した草千里・砂千里を貫いて高森へと高度を下げていくに従い春の息吹が感じられるようになった(実働7本5時間8分)。

翌年も春合宿で再び阿蘇リベンジにやって来た。今回のメンバーは混パ5名(L川田㊚・柳澤㊛・上條㊚・山本㊛)、私はSLサブリーダーを務めた。東京駅を出発して20時間後、阿蘇駅に降り立って食料買い出しをしてバスで阿蘇火口へ。今回は雪もなく火口まで行って、初日泊地の地獄温泉まで歩き風呂に入って疲れをとる(実働2本1時間25分)。この後我々は長州から島原半島へフェリーで渡り、噴火前の雲仙普賢岳で樹氷の絶景に感動し、天草を経て三角まで春麗らかな平地合宿を満喫して歩いた。

2010年11月、学生時代2度のチャレンジが不発気味で気になっていた阿蘇山の頂を極める時がやっと来た。佐賀での仕事を終えて早朝、熊本から国道57号線を東進してヤカタガウド登山口へ車を停めて根子岳へ。仰ぎ見る山頂部はガスに覆われ、その直中へと高度を稼ぐギャンブル登山日和の中を9時半東峰(1,408m)へ登頂。風の動きを見てガスが晴れるのを期待して頂稜線で粘ること2時間、遂に好展望に出逢えた。根子岳は天狗岩~西峰間の登山道がないため、天狗手前から俯瞰するのみであったが、高岳・中岳の阿蘇中心部の山容をバックにして槍ヶ岳を思わせる特徴的な岩峰がそそり立つ姿は絵になるものだった。
それから一旦下って仙酔峡道路を遡り、今度は因縁の高岳へと仙酔尾根を登り直す。15時高岳(1,592m)を登頂し、更に30分後中岳(1,506m)を踏んだ。火口東側淵を巡って仙酔峡へ下り、永年の宿題であった阿蘇山リベンジを完了した。

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