【60】開聞岳

【2009年4月19日】

薩摩半島南端の海に突き出た開聞岳は標高こそ924mと低いながら存在感抜群のランドマーク的な山。江戸時代には橘南谿が著した「名山論」の中に、立山、白山、鳥海山、月山、岩木山、岩手山、彦山、桜島と共に名山十座に選ばれていると言う。
今回、私は九州での仕事を終えて九州自動車道をバイクで南下、北側のかいもん山麓自然公園(2合目:標高200m)から登山を開始。3合目辺りまでは南国らしい深い広葉樹林の中を進み、螺旋状の登山道を東、南、西、北へと廻り込むとやがて頂上。2時間半の行程を半分程度で登り切って朝7時半には山頂(924m)へ到着した。春霞のためクッキリハッキリの展望は得られなかったが、麗らかな春の陽射しが心地良い登山であった。
下山後、指宿砂湯に入って知覧の特攻基地へ立ち寄って感じたのは、あの時代どれ程の若者が開聞岳の眺めを最期に散り逝ったかとの想い…哀しくも切ない山という近代の歴史も忘れてはならないことだ。

  • はてなブックマークに追加