【48】木曽駒ヶ岳

【1999年7月25日】

東の伊那谷(JR飯田線)、西の木曽谷(JR中央本線)を分かって2,500m超の峰々が屏風の如く続く中央アルプスだが、派手な北アルプス、重厚な南アルプスの間にあって両沿線を通り掛かる度にいつか登るだろうと後回しだったこの連嶺、何かしら申し訳ない気持ちを感じつつ初山行に訪れた。
中央自動車道で名古屋から駒ヶ根経由で伊那谷側から最高峰木曽駒(2,956m)を目指す。この高さゆえ昔は大変だったろうと思いを馳せつつ、私も甘んじて殆どの皆さんが利用する駒ヶ根ロープウェーであっという間に千畳敷(2,650m)へ到着。この日はガスで眺望もなかったので、カールが織りなす浄土景に屯する沢山の観光客を後目に一気に山頂へ。
全国に数多い駒ヶ岳という山名の中で、木曽義仲の時代から馬の産地として名高い木曽駒ほどピッタリ来る山はないのではなかろうか。山頂の産土神をお参りし、南に続く稜線の縦走を開始する。乗越に一旦下って上り直すと天狗岩をはじめとする岩峰群の林立する宝剣岳(2,931m)に到着。岩頭のような頂上は狭くて手を放して写真を撮る余裕がないほどだった。
更に痩せ尾根を通過し広々した稜線を七曲(島田娘)を経て、17時前檜尾岳(2,728m)に到着した頃にはガスも晴れてきて視界が利いてきた。その夜は檜尾直下の避難小屋に宿をとって初日の行程を終え床に就く。

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