【45】白山

【1998年9月2~4日】【2013年7月11~13日】

アルプスの山々から遠くを眺めて目立つ独立峰が3つある。乗鞍岳と御嶽山、そしてもう一つが加賀の名峰白山だ。古から駿河の富士山、越中の立山とともに、日本三名山に数えられる白山への思いは見る度に募っていたが、若い時分はこの辺ではアルプスばかりに入れ込んでいて中々登る機会がなかった。
こうした中、この年の5月に脱サラして自由な時間が取れるようになったのを契機に、1994年夏に北海道へ連れて行って以来お留守番ばかりで可哀想だった愛犬🐩パピ(4才)を伴って、永年の憧憬のこの山へ登ることにした。
別当出合(1,250m)から砂防新道を南竜ヶ馬場野営場まで標高差800m近く上る初日のハードな行程にも係わらず、それを小柄なパピがモノともせずに駆け上がる姿には驚いた。
2日目の朝、薄暗がりの中を先ず別山(2,399m)へピストンし、ベースキャンプに戻って昼食を食べた後、いよいよ白山本山への登山に挑んだ。ハイマツに覆われた気持ちの良い展望歩道から稜線に出てそのまま標高2,702mの御前峰頂上を目指す。この日は平日だったからか人影もまばらで、犬連れを憚られることなく火口湖周辺の散策を愉しんだ。深田久弥が仰いで美しいばかりでなく、登っても美しい山と讃えた名山だけあって、翠ヶ池、千蛇ヶ池を配した天上庭園のような素晴らしい景観はまさに極楽を想わせるものだった。その夜は満足感のうちにキャンプ場に戻り、翌日下山の途についた。

2013年二度目の白山登山も犬連れ、前年17才11ヶ月で亡くなったパピ🐩の冥福を祈っての後継犬🐕マロン(7才)を伴った山行であった。前回同様に別当出合から南竜ヶ馬場で天幕、翌日本山巡りをする行程であったが、大柄のマロンは雪渓に座り込んで雪をしゃぶって休憩三昧。
本当は前回行けなかった剣ヶ峰、大汝峰の白山三峰巡りを果たすつもりだったが、彼の体力不足を考慮して御前峰の奥宮参拝で降りることにした。キャンプ場の草場に横たわって昼寝をするマロンの姿を見るにつけ、先代犬パピの元気な姿が偲ばれる午後のひと時だった。翌日は天候が急悪化、朝から激しい風雨の中をカッパを着させてずぶ濡れで下山した。

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